事故物件は買ってはいけない?

先日、あるお客さんから、こんなご相談を受けました。
「A不動産の営業マンから事故物件の情報をもらっているんですよね。
3階建て、12室のアパートなんだけど、うち1室の室内で自殺があったらしいです。
その影響で他の入居者も大半が退去してしまって、現在は入居者が3人しかいないということなんですが、こんな物件、いくら安くても買わない方がいいですよね。」
さて、こういった事故物件について、あなたはどう、お考えになりますか?
このお客さんと同様に購入は見送った方がいいと思いますか?

私の考えを申しますと、購入者の方が特に気にならないのであれば(縁起が悪いとか思わないのであれば)全然、購入するのもありだと思います。
不動産投資は結局、その投資をすることによって儲かるのか、儲からないのかが判断基準の全て
しっかりと収益が発生して儲かるのであれば、投資対象が事故物件であろうと、なかろうと関係ないですから。

ただし、事故物件を購入する際にはいくつか注意すべき点もあります。
ここでは、あなたが事故物件の購入を検討することになる場合に備えて、その際に注意すべき主なポイントを3つほど、サクッと紹介しておきたいと思います。

1.十分に安く買う

事故物件を購入する際には、相場より少し安いぐらいの価格で買ってはダメです。
たとえ賃料が事故発生前の半額になっても(一棟ものマンションやアパートの場合、事故があった部屋だけでなく、その周辺の部屋も含む)、採算が合うぐらいに十分に安い価格で購入する必要があります。
うっかり高い価格で購入すると、とんでもない損をすることもなりかねませんので、今後もとれる賃料や将来の売却価格を冷静に想定した上で、確実に採算の合う価格で購入するようにして下さい。

2.物件の所在地を考慮する

都会であれば事故物件であっても、賃料を下げれば入居者は問題なく、つくと思います。
都会の場合、人が多く、また、そもそもの賃料相場が高いため、事故があった物件でも賃料が安ければ、入居したいという人を見つけやすいからです。
しかし田舎の場合は、かなり難しいと思います。
田舎の場合、人が少ない上に、そもそもの賃料相場が低いため、賃料を下げたところで事故物件に入居するインセンティブには、なりにくいのです。
また、都会と田舎では自殺等の事故に対する感じ方というかインパクトみたいなものも随分、違うと思います。
以上のようなことから、物件がある場所が田舎の場合には基本的に購入を見送る方が無難であると考えます。

3.必ず入居者に説明する

物件で事故があったことについては重要事項説明等で必ず説明する必要があります。
この点については、説明が必要なのは事故があった部屋についてのみであるとか、事故があった直後の入居者のみであるとか、色んなことが言われていますが、気になる可能性がある入居者にはすべて説明しておく方が無難です。
もしも事故について事前に説明せずに、入居後に第三者から事故について聞くようなことがあれば、法律上の説明義務の有無にかかわらず、非常に高い確率でもめることになります。
無駄なトラブルを避ける意味でも説明しなければならない入居者の範囲はなるべく広く、考えられることをおすすめします。

以上の3つが事故物件を購入する際の主な注意点になります。
3.については購入後の話になりますが、このことを念頭に価格の妥当性を判断する必要があります。
もしも事故物件の購入を検討することがあったら、以上3つのポイントに基づいて慎重に購入の是非を検討して下さい。