レントロールは嘘ばかりなの?

レントロールとは主に一棟ものの収益物件において各部屋ごとの賃料等の賃貸借条件を一覧にまとめたもののことを言います。
購入希望者はこのレントロールを見て物件の収益性などを判断することになります。
物件資料とかには表面利回りが書かれていますが、レントロールに書かれている賃料を合算してみて、その表面利回りが正しいのか確認するわけです。

で、このレントロールなんですが、実は結構、嘘が書かれていることが多いんですよね。
いや、もちろん明確な証拠があるわけじゃないから嘘と断定することはできないんですよ。
でも、どう考えても不自然なことがある。
たとえば、これは過去に実際にあった話なんですが、売買契約から物件の引き渡しまでの約1ヶ月の間に、たった10戸ほどの物件なのに3戸も4戸も退去の連絡があるとか、どう考えてもおかしいですよね。
それも退去するのは賃料が高い入居者ばかりだったりします。

こちらとしては「レントロールの内容、絶対に嘘だろ」とクレームの一つも言いたくなるんですが、はっきりとした証拠がない以上、下手なことも言えません。
こういったことを平気でする売主に限って輩みたいな人間だったりしますので、「嘘だという証拠を出せや」と逆ギレされるのがオチになる可能性が高いですしね。

まあ、こういったことを踏まえるとレントロールは、そのまま信じてしまわずに、契約を締結する前に自分でもできる範囲で内容に嘘がないのか調べてみるのが無難だと思います。
ちょっと調べれば明確に嘘があることが確認できなくても「なんか怪しい」といったことは感覚的にわかりますからね。
少し、面倒に感じられるかもしれませんが、これで取り返しのつかないような損害を被ることをかなりの確率で避けられるはずなので、是非とも調べるようにして下さい。

レントロールの内容が本当なのか、嘘なのかを確認する方法としては次のようなことが考えられます。

1.現地調査
実際に物件のある現地に出向いてレントロールの内容通りの入居者がいるのかを確認します。
単身者向けの物件の場合、表札が出ていないことが多いですが、バルコニー側から部屋の様子が確認できれば、本当に住んでいるのかどうかは大体、判断できるはずです。
分厚い遮光カーテンがかかっている場合、判断が難しいこともあるかもしれませんが、その場合にはポストの状況だとか、室内音などから総合的に判断するようにして下さい。
感覚を研ぎ澄ませば人が本当に住んでいるのか、どうかくらい大体、見当がつくと思います。

2.賃貸業者に聞く。
物件の最寄り駅の賃貸業者に出向いてレントロールに書かれている賃料が周辺相場に比べて妥当なものか確認するようにします。
比較的、新しい入居者の賃料が周辺相場から比べて、不相当に高い場合には、かなり怪しいので慎重にその実在性を判断する必要があります。
(ちなみに古い入居者の賃料が多少、高いのは自然なことなので、そんなに気にする必要はないと思います。)

以上のような調査を実施した結果、レントロールの内容がどうも嘘っぽいということになったら、購入は見送るべきです
レントロールの内容を改ざんしてくるような売主ととても安心して取引することができませんので。
融資の事前審査でOKをもらっていたりすると、そのまま購入に踏み切りたくなる気持ちもわからないわけではないですが、そんな売主から物件を購入しても結局、高い確率で後悔することになるだけですので、潔く、諦められることを強くお勧めします。