不動産投資のよくある失敗3選

今回は不動産投資においてよくある失敗を3つご紹介したいと思います。
よくある失敗パターンを知っておくことは、ご自身が同じ失敗を犯す可能性を軽減する効果があると思いますので、是非とも参考までにご一読下さい。

1.収益シミュレーションが甘すぎる

これが一番、よくある失敗だと思います。
不動産投資には様々な経費が必要となります。
その経費額の予測が過少であるため、収益がほとんど、発生しなかったり、場合によっては赤字になってしまったりするということです。
特に購入資金の多くを金融機関からの融資に頼っている場合には問題は深刻で、返済が滞ることになれば、最悪、不動産が競売に付される可能性があり、その場合、経済的なダメージがさらに拡大することになります。

防止策

経費について、なるべく正確に計算してみることです。
売買価格の大体、何%と言うアバウトな形で経費を計算していいのは大量の物件資料の中から、購入候補を選別する段階までの話です。
最終的に購入の意志決定をする段階では必ず、経費ごとになるべく正確に計算し、それを合算する形で、総経費を把握するべきです。
また、金融機関から融資を受けている場合には必ず、そうでない場合にもできるだけ、所得に対して発生する各種税金の金額も計算するようにして下さい。
税引き後、手元に残る金額がわかっていないと、そもそも投資として成立しうるかどうかを判断することができないからです。

2.購入価格が高すぎる

不動産投資家の多くが表面利回りを主たる基準として売り出し価格の妥当性を判断しています。
そのため、不動産をその本来の価値から考えて高すぎる価格で購入してしまうということが、どうしても起こりがちです。
購入価格が適正価格より高ければ、その金額分、売却時に得られるキャピタルゲインは確実に小さくなります。
また、融資を利用して物件を購入するのであれば、金融機関に対する支払利息が増加することになりますので、増加する利息分、インカムゲインは確実に減少します。
こういったことにならないためにも、不動産を高買いしてしまうことは確実に避けて下さい。

失敗防止策

表面利回り等から計算される価格(収益価格)だけでなく、周辺の同じような物件の取引事例との比較の中から求められる価格(比準価格)、その不動産と同じものを再度、作るのに必要な費用を算定して、そこから建物の減価償却費等を差し引くことによって求められる価格(積算価格)なども考慮して、売出し価格の妥当性を判断して下さい。

私が過去に相談を受けた事案の中には、積算価格で考えれば5000万円にも満たないような価格の物件を表面利回りが高いという理由だけで9000万円弱で購入しようとしていたケースがあります。
積算価格を検討していなければ確実に高買いすることになっていたわけです。
高買いリスクを少しでも減らすためにも必ず、収益価格だけでなく、比準価格や積算価格も検討してみて下さいね。

3.購入時期、売却時期の失敗

不動産の価格は景気によって上下に変動しますが、その変動の中で価格が相対的に高い時期に購入し、または、価格が相対的に安い時期に売却し、あるいは、その両方をやってしまうということです。
当然のことながら、得られるキャピタルゲインが減少してしまうことになります。
人間、特に日本人はどうしても自分の行動を決定する時に周囲の行動を大いに参考にしてしまう傾向があります。
つまり、みんなが買っている時に買い、みんなが売っている時に売ってしまうわけです。
言うまでもなく、みんなが買っている時は価格は高くなり、みんなが売っている時は価格は安くなります。
その結果、特に意識することなく価格が相対的に高い時期に購入し、価格が相対的に安い時期に売却するということをやってしまいがちなのです。

失敗防止策

みんながやっていることの逆をやる勇気を持ちましょう
みんなが売り始めるということは、今後、価格が下がるということですので、買うための心の準備をはじめて、タイミングを見計らうことです。
また、みんなが買い始めるということは今後、価格が上がるということですので、売るための心の準備をはじめて、タイミングを見計らうことです。
このマインドセットを持つだけで購入時期、売却時期に関する失敗が9割は防げるはずです。

以上の3つが私の考える不動産投資で最もよくある失敗とその防止策です。
2.や3.については失敗している本人も、気づいていないことが多いため、あまり、語られることがありませんが、間違いなく非常によくある失敗だと思います。
まずは、これら3つの失敗を犯すことがないよう、十分、注意して下さい。
これら以外の失敗については、また、折を見て紹介させて頂きますね。